実務補習に行かずに、登録要件の15日を満たす方法
この記事でわかること
- 登録に必要な15日は、実務補習以外でも満たせること
- 二次試験合格から3年以内という期限
- 実務補習と実務従事は合算できること
- 8日間コースを受けた後、残り7日をどうするか
- 実務従事を選ぶときの確認ポイント
この記事は、中小企業庁「Q&A 申請書、証明書等の作成要領」(2026年6月1日更新)等をもとに整理しています。制度は改定されることがあるため、申請前に必ず中小企業庁の公式ページで最新情報をご確認ください。
1. 登録要件の15日は、実務補習だけではない
二次試験に合格したあと、多くの方が「次は実務補習を申し込む」と考えます。実際、合格者の多くが実務補習を選びます。
ただ、制度上はこうなっています。
中小企業診断士として登録するには、第二次試験合格日から3年以内に、実務補習を15日以上受けるか、診断実務に15日以上従事すること。
つまり、実務補習でも、実務従事でも、登録要件は満たせます。どちらか一方でなければならない、という決まりはありません。
新規登録時の実務要件として認められるのは、次の3つです。
- 経営の診断助言業務(様式第18 または 様式第19)
- 経営に関する窓口相談業務(様式第20)
- 登録実務補習機関が行う実務補習の受講(様式第13)
※実務補習の指導、養成課程の実習指導は、新規登録の要件には使えません(更新では使えます)。
2. 期限は「合格から3年以内」
ここが最も重要な期限です。
第二次試験合格日から3年以内に、15日以上の実務要件を満たして登録申請をする必要があります。この期間を過ぎると、合格の効力を使って登録することができなくなります。
「いつでも受けられる」と思って先延ばしにすると、3年はあっという間に来ます。特に、本業が忙しい方ほど注意が必要です。
3. なぜ「実務補習以外」を探す人がいるのか
実務補習が合わない、という方には、だいたい共通した理由があります。
① 費用 実務補習の受講料は、15日間コースで20万円台、8日間コースで10万円台が目安です(金額は改定されることがあるため、必ず最新の公表額をご確認ください)。遠方から参加する場合は、交通費や宿泊費も別途かかります。
② 日程が決まっている 実務補習の実施時期は限られており、土日を中心に組まれますが、金曜や月曜も実施されます。会社員の方は有給休暇を使って参加するケースが多くなります。
③ 予約が取れないことがある 申込は先着順で、人気の地区・日程は早く埋まります。特に合格発表直後の2月実施分は倍率が高くなります。予約が取れなければ、登録が遅れます。
④ 報告書の作成負担 グループで診断報告書を作成するため、後半は報告書の作成・体裁調整に多くの時間を使うことになります。
⑤ 15日間コースは実施時期が限られる 15日間コースは2月〜3月のみの募集となることが多く、この時期に都合がつかない場合は、8日間コースを2回受けるなどの組み合わせが必要になります。
これらが問題にならない方には、実務補習は良い選択肢です。同期とのつながりができる、指導員から直接指導を受けられる、という価値もあります。合わない場合に、他の道もあるというのがこの記事の趣旨です。
4. 実務補習と実務従事は、合算できる
意外と知られていないのがこれです。
実務補習と実務従事は、合算して15日を満たすことができます。
たとえば、こんな組み合わせが可能です。
| 組み合わせ | 内訳 |
|---|---|
| 実務補習8日 + 実務従事7日 | 補習を1回受けて、残りを実務従事で |
| 実務補習5日 + 実務従事10日 | 過去に5日間コースを受けた方 |
| 実務従事15日のみ | 補習を受けずに満たす |
**特に多いのが、「8日間コースを受けたけれど、残り7日をどうするか」**というケースです。もう一度8日間コースを受けると日数が余りますし、費用も追加でかかります。この残りを実務従事で埋める方は少なくありません。
5. 実務従事で15日を満たす、3つの方法
① 自分で診断先を見つける
要件を満たす中小企業に診断助言を行い、様式第19で証明をもらう方法です。費用はかかりませんが、登録前の方にとっては、診断先を見つけるのが最大の壁です。実績も人脈もこれからという段階で、15日分の診断先を確保するのは簡単ではありません。
診断先には業種ごとの規模要件があり、一般社団法人や商工会などは対象外です。この確認も必要になります。
② 勤務先で、経営者の指示のもと自社の診断助言を行う
勤務先が中小企業等であれば可能です(様式第19)。ただし所属部門のルーティンワークは対象外です。また、金融機関や大企業にお勤めで、取引先の中小企業に診断助言を行う場合は様式第18を使います。
③ 民間の実務従事サービスを利用する
診断先を自分で探す必要がなく、証明書の発行まで完結します。費用はかかりますが、登録前で人脈がない方には、現実的な選択肢です。
6. 実務従事サービスを選ぶときの確認ポイント
登録前の方が確認すべきなのは、次の5点です。
① 取得できる日数(ポイント) 15日を一度で満たせるか、複数回の受講が必要か。1日=1ポイントで数えます。
② 3年の期限に間に合うか 合格から3年以内という期限があります。開始までの待ち時間、消化に必要な期間、証明書の発行時期を合計して逆算してください。
③ 開始までの待ち時間 決まった開催回のみのサービスは、次回まで待つことになります。
④ 証明書の発行時期と様式 登録申請に間に合うか。民間サービスの場合、多くは様式第19での発行になります。
⑤ 費用 サービスによって幅があります。1ポイントあたりで比較すると分かりやすくなります。
📄 様式第19の書き方は、こちらで解説しています → 様式第19の書き方と、実務従事ポイントの証明方法
7. 登録後も、実務従事は続く
もうひとつ知っておくとよいことがあります。
診断士の登録有効期間は5年間で、更新には5年で30日分の実務実績が必要になります。つまり、登録して終わりではなく、その後もずっと実務のポイントを積み続けることになります。
登録前の段階から実務従事の進め方に慣れておくと、更新のときに慌てずに済みます。
📄 更新の30ポイントについては、こちらで解説しています → 更新に必要な30ポイントの取り方
8. まとめ
- 登録要件の15日は、実務補習でも実務従事でも満たせる
- 期限は第二次試験合格日から3年以内
- 実務補習と実務従事は合算できる(8日コース+実務従事7日、など)
- 登録前は人脈がないため、診断先を自分で見つけるのは難しい
- サービスを選ぶときは、日数・期限・開始までの待ち時間・証明書・費用を確認
実務補習には、対面での指導や同期とのつながりという価値があります。一方で、費用・日程・予約の問題が壁になる場合、実務従事という道があることを知っておいて損はありません。
HAMMERで15日を満たす場合
HAMMERのFullコース(15日・15ポイント)は、登録要件の実務15日に相当します。
- 最短、申込当日にスタート(開催回を待つ必要がありません)
- 3か月以内であれば、好きな日に分けて受講可能
- 修了後、最短翌日に様式第19を発行・郵送
- 分厚い報告書の作成はありません
実務補習をお考えの方に向けた詳しい説明は、こちらにまとめています。